NOMOS Tangente Sport

愛用していた腕時計Jaeger Le Coultre UltraSlimを手放した。ベゼルに付けてしまった大きな傷、ステンレススチール製であること、時計ベルトの交換サイズが17mmと汎用性に劣ること、果ては経済的な事情など色々あるのだが10年間は使うと豪語していただけに自分の信念は当てにならないと只々情けない。 

しばらくROLEX Celliniを使っているのだが季節も夏に近づき非防水の腕時計を毎日使うのも躊躇われ、結局新しい時計を買おうと考えている。時計をしないというのもひとつのファッションでありもっとも合理的・経済的選択であるのには違いがないが、なかなかその境地に達することはできず思い煩うこと多い(とても財布を持つのを止めた人間とは思えませんが)。

私の屈折したミニマル指向は相変わらずで手巻き薄型の時計を追い求めることにある。その懊悩の中で見つけたのがNOMOSというドイツのメーカーのTangenteというモデル。手巻きの径35mm、厚さ6.2mmという絶妙なサイズにバウハウスの流れを汲む文字盤。ムーブメントはETA(Peseaux社Cal.7001)を独自にtune upしたという今時の時計会社にありがちなパターンだが、イソザキ時計宝石店さんによれば相当な精度が期待できるそう。

トヨタ製エンジンを積むLOTUS Eliseみたいなものか。もっとも近年は自社製のムーヴメントも開発しており今後が楽しみなメーカーだ。 

自社ムーブメント製造を標榜する同社ではあるが、あえてシースルーバックではなくスチールバックのモデルを選びたい。ちなみに本国での価格は890ユーロ程度。気負わずにまさに道具として使えそうだ。

非常に知的なフェイスを持つNOMOS Tangente Sport。standardのTangenteにしようか迷ったが、シルバー文字盤、10気圧防水というのが決め手となりSportを990ユーロで購入した。

すこし大きめだなと感じる他、革ベルトについてはマリーンのクロコダイルに換えればほぼ文句はない。

PeseauxCal.7001ベースのmovementの日差を意識させない正確さは信頼に足る道具だという確信を抱かせる。かといって質実剛健一辺倒のゲルマン主義ではない知的なface。これをバウハウスと言うのか芸術論に疎い私にはわからないが、持ち主の浪費癖を隠してくれそうなところが気に入った。

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