K.Iwahashiが語るラグジュアリー論







「旅するルイ・ヴィトン」展で見た白洲次郎のトランク

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'79年生まれ。1浪2留の追加モラトリアムを経て'05年に早稲田大学商学部卒業。 現在は金融セクターのIT部門にて(マジメに)勤務。 時計や車などのラグジュアリー、服飾、DTM、それらにまつわる書籍の記事が得意です。

2016年6月5日にLOUIS VUITTONの「旅するルイ・ヴィトン」展に出かけてきました。

僕の収集品の中にLOUIS VUITTONを冠するモノはまだありません。日本人の4人に1人が所有する同社の製品と言われているにもかかわらずです。 ルイ・ヴィトンを擁するLVMHの製品群で所有したのは唯一Berlutiのフルブローグ、財布、ベルトくらいでしょうか。

振り返ってみても、あまり縁が深いブランドではないですね。 ちょっとした旅行の時に父のキンボール(モノグラムのボストンバッグ)を借りることはあります。

僕のルイ・ヴィトンに対するイメージは非日常な「旅」の伴侶なんです。日常持つビジネス鞄や財布などの小物には避けたい印象ですね。何だか急に俗っぽくなるというか、さじ加減が難しい。

先に感想を言いますが、旅と移動の境界線が曖昧になってしまった昨今、今回のエキシビジョンはまさに「旅の憧憬」を高めてくれるものでした。 何と言っても、今回僕の足を向けさせたのは、この場にに白洲次郎が所有したトランクが展示されているということでした。

普段は旧白洲邸「武相荘」に所蔵されているようですが、撮影が禁止されているので、この機会は非常に貴重でした。 展示室に入ると、いきなり圧巻のトランクが私たちを迎えてくれます。

 ダミエ柄って1895年には既に存在してたんですね。

WILLIAM TWOMBLEYという紳士が所有。まさに僕のためにあるようなトランクです。ブーツと手入れ用のブラシが格納。

1910年頃タンニン鞣しの革を使用したトランクです。よい味が出ていますね。

1900年 こちらは自動車に積むためのトランクです。

自動車とくれば、飛行機ですね。

実際にピエール・ヴィトンは飛行機そのものを夢想していたようです。鉄道の客車を模した展示が非常に人気でした。当時のワードローブとともに。 ルイ・ヴィトンが収集した16世紀〜のアンティークなトランクたち。非常に貴重

ゲイリー・オールドマン扮するドラキュラが身を潜めていそうなトランク

カメラ好きには堪らないダミエのカメラケース

白洲次郎のルイ・ヴィトン「ビステン」白洲次郎所有のビステン65とスティーマー・バッグ 白洲次郎が所有したビステンというトランクです。LVマークの配列(横に8つ)から見てサイズは65ですね。

手前のスティーマー・バッグは洗濯物を入れておくバッグのことです。 白洲次郎はこのトランクを1967年に入手していることに少し驚きました。65歳になってこの重たそうなバッグを手に入れたこともそうですが、彼が遺した品の数々は戦後しばらく経ったものが多いのです。

さらに驚くべきは、ビステンもスティーマー・バッグも今日買えるのです。ビステン(M21325)は664,200円、スティーマー・バッグ(M41126)は604,800円です。スティーマー・バッグが想定外に高価なんですね〜。

ルイ・ヴィトンの日本進出は1978年です。YMOが世に出た年です。私が生まれる1年前なんです。当時のカタログです。懐かしい書体。

職人さんによる実演。ルイ・ヴィトンの製品全てが職人の手仕事によるものだと信じるほどは僕は純真ではありませんが、日本の消費者がそう夢想していることを知り尽くしています

鑑賞を終えて

お目当は白洲次郎のトランクでしたが、それを忘れてしまうくらい内容の濃い展示でした。まさに博物館レベル。マーケティング臭をいささかも感じさせない演出はさすがです。ブランドを高みに存在させ続けるためにルイ・ヴィトンはこの貴重なアーカイブ群を無料で開放しているのです(タダほど怖いものはありませんが)。展示は6月19日までです。あと数日、楽しむ機会のある方は是非足を運んでください。

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'79年生まれ。1浪2留の追加モラトリアムを経て'05年に早稲田大学商学部卒業。 現在は金融セクターのIT部門にて(マジメに)勤務。 時計や車などのラグジュアリー、服飾、DTM、それらにまつわる書籍の記事が得意です。
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