【SIHH2019】オーデマ・ピゲに新ライン『CODE11.59』が登場!
1972年に登場したロイヤルオークのイメージがあまりに強いオーデマ・ピゲですが、ミレネリーやジュールオーデマなどクラシックなラインアップが存在していたことをご存知でしたでしょうか?おそらく殆どの方がその存在をご存知なかったのではないでしょうか?
オーデマ・ピゲが展開するラグジュアリースポーツとクラシックの中間に位置付けられる新ラインアップとして登場したのが、CODE11.59です。「CODE」は次のコンセプト群の頭文字に由来しています。
- Challange – クラフトマンシップの限界に挑戦
- Own – ルーツとレガシー
- Dare – 信念の追求
- Evolve – 進化
- 11.59 – 新しい日の1分前
実に20年ぶりの新ライン登場となるわけですが、6モデル、13リファレンスに3つの新しいムーブメントが追加されます。
卓越したデザイン
まず特徴的とも言えるのが、ベゼルの狭さです。ポリッシュ仕上げとブラッシュ仕上げのコントラストが美しいですね。
さらに、そのベゼルから「く」型のラグが伸びているのがわかります。ラグは中がくり抜かれていて、立体的なフォルムとなっていますね。ミドルケースと裏蓋に沿うように着地するラグの下部は鑞付けされることはなく、あくまで接することでケース全体を支えるような構造です。これで強度が確保できるのか疑問ですが、この造形美は唯一無二。
円形のベゼルと裏蓋に対して、ミドルケースは何とオクタゴン(八角形)!どことなく、ロイヤルオークの横顔のようになっています。ラグホールにはロイヤルオークのベゼルに見られたようなビスがストラップを繋ぎ止めるためにセットされています。
ドーム上のサファイアガラスが迫り出していて、ガラスそのものがベゼルのような役割を果たしていると言えます。このデザイン文法はApple Watchでお馴染みですね。
このように、正面から見るとクラシックな風防でありながら、やや角度を変えるとスポーツウォッチのような力強さを感じるデザインとなっています。
直径は41mmとやや大きめに振っています。願わくは38mmですが、スポーツとクラシックの中間を狙うところから、妥当なサイズ感かもしれません。
自動巻3針
オーソドックスな3針は5分おきのアプライドインデックスに加え、3、6、9、12のアラビア数字でのアワーマーカーが配されていて、この書体からロレックス エクスプローラーⅠのタイポグラフィ(書体)を連想してしまいますね。
搭載するには新型キャリバー4302です。基幹キャリバーである3120を投入すると思いきや、意外です。毎時28,800振動、70時間のパワーリザーブの実用性を確保したこのムーブメントは仕上げも完璧です。
基本情報 | |
型番(文字盤色&ケース) | Ref.15210 OR.OO.A099CR.01(白&RG)/15210 OR.OO.A002CR.01(黒&RG)/15210 BC.OO.A321CR.01(青&WG) |
価格 | $26,800(約290万円) |
クロノグラフ
僕が個人的に最も推したいのはクロノグラフです。インナーベゼルのタキメーターも完璧に映えますね。3コンパックスのうち、スモールセコンドのレジスターは積算計に比べて一回り小さくデザインされています。4〜5時に配されたカレンダーもクロノグラフにおいてはデザインが均衡しているように感じます。
新開発されたフライバッククロノグラフムーブメントCal.4401は外観が美しいことはもちろん、クロノグラフ作動時のレバー群が一斉に動く様はまさに圧巻(HODINKEEによる動画)!
この完璧すぎるクロノグラフがコラムホイールを搭載していることは驚きませんが、70時間のパワーリザーブという実用性まで備えていることに、もはや溜息しか出ません。
基本情報 | |
型番(文字盤色&ケース) | Ref. 26393 OR.OO.A002CR.01(黒&RG)/26393 BC.OO.A321CR.01(黒&WG) |
価格 | $42,400(約460万円) |
パーペチュアルカレンダー
この美しい星空を象った文字盤は”Aventurine(アベンチュリン)”と言って、砂金色を表します。とってもゴージャスですが、インナーベゼルの数字(週を示す)がツールウォッチ的で、現実に引き戻されるようです。
基本情報 | |
型番(文字盤色&ケース) | Ref. 26394 OR.OO.D321CR.01 |
価格 | $74,500(約808万円) |
トゥールビヨン
トゥールビヨンは3針のエステティズムに近いデザインですね。フライングトゥールビヨンムーブメントCal.2950はロービートの21,600振動で、キャリッジの動きがさぞ優雅なことでしょう。
Cal.2970の部品点数は270個、パワーリザーブは実用性も十分な65時間です。毎日身に着けても気後れしないトゥールビヨンと言えそうです。
基本情報 | |
型番(文字盤色&ケース) | Ref. 26396 BC.OO.D321CR.01(青&WG)/26396 OR.OO.D002CR.01(黒&RG) |
価格 | CHF129,000(約1,422万円) |
オープンワーク・トゥールビヨン
こちらはスケルトン文字盤のトゥールビヨンです。個人的にはトゥーマッチな印象を持ちますね。自慢されても「お、おぅ」という反応しかないな…
基本情報 | |
型番(ケース) | Ref. 26600 OR.OO.D002CR.01(RG) |
価格 | CHF175,000(約1,930万円) |
ミニッツリピーター・スーパーソヌリ
「三針モデルがスモールセコンドだったら」という期待にはスーパーソヌリが応えてくれます。スーパーソヌリとは複雑機構のひとつ「ミニッツリピーター」のことで、オーデマ・ピゲが得意とする1時間、15分おきに美しいゴング音を奏でるトライキング機構です。これは現物にお目にかかって生演奏に耳を傾けてみたいですね。
基本情報 | |
型番(文字盤色&ケース) | Ref. 26395 BC.OO.D321CR.01 |
価格 | CHF295,000(約3,253万円) |
まとめ
賛否両論あるようですが、僕から見れば完璧とも言えるデザインで、やや疑問符がつくのはデイト表示の位置とデイトウィンドウの大きさくらい。でも、それもクロノグラフモデルでは溶け込んだデザインと評価できます。強いて言えば、3針モデルはデイト表示を割り切って、スモールセコンドにしてくれると良かったかなという程度です。それも今後リリースされると面白いですね。
CODE11.59シリーズの生産数は年2,000本を予定しています。オーデマ・ピゲの生産する時計の2割を占めることになるということですから、かなりの力の入れようです。
このシリーズに欲しいのはステンレスケースです。そのためにも、まずは初出のモデルが売れに売れることを期待します。
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