TUDORと同じKenissiのムーブメントを搭載するシャネル J12は狙い目【Basel2019】

2018年から2019年にかけてChanelは変革の時を経験しました。

非公開会社であるシャネルは2017年の売上が96億ドル/純利益18億ドルであったことを明らかにしたのは衝撃を与えました。なにしろルイ・ヴィトンの売上に迫る水準であったからです。

2019年2月にはクリエイティブディレクターのカール・ラガーフェルドが亡くなり、その地位をVirginie Viardに継承しました。

時計部門に目を向けると、F.P.ジュルヌ、ローマン・ゴティエ、Bell&Rossの株式の20%を取得し高級時計のクリエーションにより没頭し始めました。これらのブランド以外にもムーブメントメーカーであるKenissiの株式を取得しており、そのことがバーゼルワールド(Basel2019)で発表された生誕20周年を迎えるJ12への新メーブメント採用へと結実しました。

これら一連の資本提携による種まきはシャネル・ウォッチ・クリエーションのトップArnaud Chastaingt氏によって主導されてきました。そして2019年は早くもその収穫が得られそうです。

Kenissi-cal12.1
Cal.12.1

シャネル J12に採用されるのはKenissi社が新開発したCal.12.1です。両側からブリッジに支えられたテンプには緩急針がありません。そう、フリースプラングです。そしてこのムーブメントに非常によく似ているのがTUDOR(チューダー)社が自社製を謳って採用しているMT系の自動巻ムーブメントです。シャネルとチューダーはいずれもKenissi社よりムーブメントの供給を受けているので、これは当然といえば当然。

Cal.12.1はチューダーの採用するMT5602と同じくパワーリザーブ70時間、瞬間で切り替わるカレンダー機構を採用しています。自動巻のローターはタングステン製で作られており、ボールベアリングで留めて磨耗を抑えています。

また、COSCクロノメーター認定を取得しているので、精度面は全く心配する必要がありません。

chanel-j12-1
ベゼルの刻みが30から40に増加した

外装にも変化があり、回転ベゼルの刻みがより多くなり精密感が増したこと、文字盤の短針のインナートラックの目盛りが5分おきに白くペイントされ視認性が向上したこと、「SWISS MADE」の表記がミニッツトラックに移動したことが挙げられます。

ケースサイズは38径とダイバーズウォッチとしてはかなり抑えられていますが、防水性能は200m確保しています。そして、何よりこのシャネルJ12は傷にめっぽう強いセラミック製です。それもブレスレットに至るまで全てがブラックかホワイトのセラミックで覆われているのです。先日仕事でこのJ12を身に着けた方にお会いしましたが、かなり前に購入されたJ12は新品同様に輝いておりました。

ムーブメント刷新によって意外と魅力のあるモデルであることが分かった新型シャネルJ12。価格は$5,700と進化に見合う設定に。2019年5月にはシャネルのブティックで見ることができそうです。

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