ブロンズケースが熱いタグ・ホイヤー オータヴィア・アイソグラフ【Basel2019】
タグ・ホイヤーがバーゼルワールドで発表した新作はかつてケニア、アルゼンチン空軍に提供したAutavia(オータヴィア)を復刻したモデルです。
オータヴィアはAuto(自動車)とAviation(航空機)を掛け合わせた造語です。しかし、新作モデルの容貌から受ける印象はダイバーズウォッチという不思議なモデル。それもそのはず、オリジナルモデルはクロノグラフ機構が付いていたのですが、今回登場したモデルは3針モデル。時間計測は回転ベゼルで読むというざっくり加減。
オータヴィアのモータースポーツとの関わりはタグ・ホイヤーがF1のスポンサーであったことに加え、1971年にレース中の事故で他界したF1ドライバーJo Siffertによって愛用されたことによって深まりました。上述の空軍採用よりはずっと商業的な動機によってもたらされたものと言って過言ではありません。
搭載する自動巻ムーブメント「キャリバー5」はカーボン・コンポジットのヒゲゼンマイを採用し、磁力に対する耐久性を新たに追加しています。パワーリザーブ38時間は現代において、もはや短すぎると言わざるを得ませんが、認定クロノメーターの精度を保証しており、信頼性の高いムーブメントです。
オータヴィアはステンレス/ブロンズのケース材、ブルー/ブラック/グレー/ブラウン/グリーンの5色も文字盤というまさに多彩な展開。ステンレスモデルはステンレス製ブレスレットのほか取り外しに工具不要なレザーストラップも選択可能。しかし、僕のオススメは断然ブロンズです。当然レザーストラップ一択。
ブロンズケースは2019年の新作発表において多くのメーカーが手がけていますが、その醍醐味はエイジング(経年変化)によってブロンズの表面が変色することです。これは「2つとして同じものがない」というコレクター気質を満たしてくれる要素と言えます。
一方で、ブロンズケースの難しいところはレザーストラップの色のチョイスでしょうね。どうしても、ブラウンカーフとの組み合わせがしっくりくる印象で、どの色のストラップでも合わせやすいかといえば、そうでもありません。
しかし、その難しさを乗り越えると新たな世界が拡がるのがブロンズケースの面白いところです。それは、最新のテクノロジーを享受しながら、ビンテージ感を味わうということに他なりません。
ケース径42mmのケースにはセラミック製のベゼルインサートを嵌め込まれていて、この部分は傷がつきにくく、新品と同様の状態が永続するでしょう。
タグ・ホイヤー オータヴィア・アイソグラフはステンレスモデルが先行予約注文を受け付けていますが、ブロンズモデルの詳細な価格は未定。しかし、50万円を下回ることはほぼ確実でしょう。
基本情報 | |
メーカー | TAG HEUER(タグ・ホイヤー) |
モデル/型番 | Autavia Isograph /Ref.WBE5191.FC8267 |
直径 | 42mm |
ケース素材 | ブロンズ |
防水性能 | 100m |
価格/発売時期 | $4,300(47.3万円)/2019年6月以降 |
ムーブメント情報 | |
キャリバーNo. | Caliber 5 |
巻上方式 | 自動巻 |
振動数 | 28,800 |
調速機構 | 緩急針 |
パワーリザーブ | 38時間 |
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