AirPodsからノイズキャンセリング機能を搭載したBluetoothワイヤレスステレオヘッドセット SONY WF-1000XM3に買い換えました!
モバイル通信の5Gへの移行が目前に迫る中、Webコンテンツもテキストから動画に主体に移っていくと言われています。ブログの発信者がYouTubeに鞍替えしているのを目にするようになってきました。
ただ、導入されていない5Gが起爆剤となって動画ブームが起きているのではないと僕は見ています。皆が動画をスマートフォンで見るようになったのはBluetoothワイヤレスヘッドフォンが実用的なレベルにまで達し、価格が下がって普及したからだと思います。
その嚆矢となったのが2016年にアップルからリリースされたAirpods(第1世代MMEF2J/A)と見るのはほぼ間違い無いでしょう。僕も入手可能となるまで半年ほど待ち、2017年6月にようやく入手できました。購入以来、毎日に出かける時に装着して出かけ、その便利さの恩恵を受けてきました。
僕は2004年にEtymotic Research社のER-4Sを手に入れてから数々のカナル型ヘッドホンを手に入れて評価してきました。音質にはうるさい方だと思いますが、Airpodsの抑制の効いた中域は思ったより良いなと思いました。しかし、EDMのようなブリブリな音楽を楽しむには少し不満を感じていました。
そんな中、ハイレゾ音源にも対応するSONY EF-1000XM3が2019年7月にリリースされました。これは期待せずにはいられません。
Airpodsの功績
Airpodsの革命的な点は、動画の再生が音声と同期されているところにあります。それまでのBluetoothワイヤレスフォンというのは、映像に少し遅れて音声が再生されるという違和感のあるものでした。
これはレイテンシー(遅延)がバラバラに生じることによる現象なのですが、AirpodsはBluetoothのレイテンシーに合わせて、動画を気持ち(少し)遅延させることでシンクロさせて(同期を取って)いるのです。
ですから、ゲームの音再生などレスポンスを求められるインタラクティブなメディアでは相変わらず遅延が生じてしまいます。Bluetoothワイヤレスフォンの普及で一番ダメージを受けるのはモバイルプラットフォームで動作するゲーム市場かもしれません。
さて、Airpods一強の牙城を崩しにかけたのがソニーです。この会社はウォークマンで得た名声をiPodに掻っ攫われた経験があるので、Appleの独占を何よりも疎ましく思っていたことでしょう。
2017年に満を辞してリリースしたノイズキャンセリング機能を搭載した初代Bluetoothワイヤレスステレオヘッドセッ『WF-1000X』はノイズキャンセリング機能こそ画期的だったものの、あまりの接続品質の悪さに好評を得たとは言い難い結果になってしまいました。
名誉挽回を賭けたWF-1000XM3は第2世代ではありながらネーミングに3世代目を想起させるところ、飛躍的な進化を遂げたというソニーの意気込みを感じます。
2019年7月13日の発売日以降、家電量販店では品切れの状態が続くほど好評を博しているようで、僕は保証の付かないヤミ市から調達しました。
早速試聴してみると、音質は解像度が高く低音が非常に豊かで非常に僕好みです。特にEDMやジャズの再生が好印象。ロックなど中域が豊かなサウンドはやや解像度が落ちる印象です。ただ、Airpodsと比較した場合、圧倒的に凌駕していると言っていいでしょう。
ノイズキャンセリングのスゴさ
そして、常に音楽を聴くわけではない僕が重用するのがノイズキャンセリング機能です。これは通勤時のバス、電車や飛行機の移動時に騒音を大幅にカットしてくれます。
ノイズキャンセリングに体が慣れてくると、いかに今まで騒音ノイズによるストレスを受けてきたかが実感できるようになります。
ノイズキャンセリング機能はオンにすると、コンプライ製イヤーチップの密閉感も相まり、飛行機内の“耳の詰まった”感が生じて音がサッと引く印象です。この感覚が嫌いな人も少なく無いはず。
全く音が聞こえなくなるということはありません。あくまで軽減です。それでも僕にとっては生活の質が劇的に改善したと断言できます。
また、ノイズキャンセリングとは真逆の外音を取り込むアンビエントコントロールという機能もあるので、歩いている時や周囲に傾注したい時に外す必要がないので便利です(ちなみに、この状態での車の運転は殆どの都道府県で条例により禁止されていますので装着できないと考えた方がよいでしょう)。
カナル型イヤホンの宿命というべきか、歩いている時や物を食べている時は振動がダイレクトに伝わってきて聴いていられません。あくまで静止状態で使うのがベター。
接続品質は向上!PCとの接続も可能だが、スマートフォン通話は今ひとつ
肝心の接続品質ですが、iPhoneXsとの相性はAirpodsと同等という印象です。ただ、音声接続は確立できてもApp側からの接続は認識しないこともあります。Appではイコライザの設定を行うくらいなので使用する頻度は高くないのですが、認識に手間取ると、やはり不便でストレスを感じます。
本機はiOS/Android対応を謳っていますが、PCとの接続も問題ありませんでした。僕はMacBookPro(2018)環境ですが、iPhoneからMacBookへストレスなく切り替えできました。ただし、MacBook上ではイコライザの調整ができないのでiOSなりAndroid上のAppで予め設定しておく必要があります。
WF-1000XM3はマイクが付いているので、携帯電話の通話も可能です。しかし、多くの場面で相手に音声が伝わりづらいようで残念です。この点外観には悪影響を及ぼすものの、Airpodがリードしてますね。
今モデルから操作にタッチパネル方式を採用しています。僕は右耳用に再生/停止、左耳用にノイズキャンセリング/外音取込のコントロールをアサインしているのですが、これが脱着時に指に触れるため誤作動しまくりなのは、呆れてしまうほどです。Airpodsもタップ操作が意図通りに動作しなかったので似たり寄ったりですが。
最大の弱点は充電ケースにあり?
充電ケースは一点を除いて、Airpodsの後塵を拝してます。評価できるのはUSB-Cを採用していることくらいです。あとは不満だらけです。
- 充電ケースそのものが大きすぎる
- 充電ケースの電池残量がわからない(%レベルで)
- Qiなどのワイヤレス充電に非対応
これは次世代機で改善されそうなポイントですが、ソニーの場合はヘッドセットの外観が変わる可能性も高く、充電ケースだけ次世代に買い換えることも期待できそうにありませんね。この点、Airpodsはヘッドセットは第1世代、充電ケースは第2世代という使い方ができたのでユーザーフレンドリーです。
購入早々、トップカバーに傷が入ってしまったので、シリコンケースを購入しました。
それでも買ってよかった
Appとの接続品質の向上、マイクの集音改善、充電ケースの諸々の見直しなど改善課題の多い本機ですが、音質の良さとノイズキャンセリングの体験を重視する人にとっては満足する買い物になるでしょう。
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