大峽製鞄 ベビーカーフ束入

OHBA TOKYO

最近尻のポケットに財布を突っ込むことに抵抗感を覚え始めた(本音はある本に感化された)ので、お札が綺麗に収納できる長財布に換えようと思い立った。そこで、故・落合正勝氏が晩年愛用していたことから気になっていた大峽製鞄のベビーカーフ製の束入を三越銀座店で購入した。

大峽製鞄は従業員は30名足らずの戦前に創業された中小企業だ。HPを拝見する限り東京の下町テイストに溢れ、素敵だ。

国内外から革材を集めて鞄や小物を企画・製作販売するのだが、革の在庫が尽きると、次はいつ供給できるかわからない。このプレミアム感も人気に拍車をかけているようにも見受けられる。革材にネーミングを与えるところもマーケティング上手だ(エルメスと供給元が同じとにおわすところはいただけないが)。職人気質一辺倒でないところが、非常に強みになっていると言える。


ベビーカーフは国産の6ヶ月以内の仔牛の革だそうで、落合氏をして唯一欧州を凌ぐレベルと言わしめたものであるが、実際のところエルメスが90年代に使用していたベビーカーフと比べてあと一歩という印象だ(経年で印象は変わると思うが)。供給元は類推するに山浦染革だろうか。個人的に気になったのは、全体的に皺が見られることだ。これは三越にある在庫3つ全てを並べても同じであった。


革の質云々はともかくも財布としての使いやすさは絶品である。風琴マチと呼ばれる外側に開いたマチのおかげで札の収納力が抜群に良いのだ。このマチの形状は大峽製鞄独自のものでもなく、伝統的な技法らしい。外側は忍び縫いが施され、糸が隠れている。財布は外側の縫製が切れてしまうことで破綻が始まる。したがって、これは長年愛用するのに適した作りであると思う。


そして、ベビーカーフを使用したことの最大の利点はその薄さにあるのだろう。カード側に2つの収納、札側に3つの収納がありながら、ジャケットのポケットに入れてもスーツのラインを崩さない。


後日、同じベビーカーフで作られた小銭入れを三越日本橋店で揃えた。

折角素敵な束入れを買ったので、中に入れる札は全て新札にするよう心掛けている。お金に対するスタンスまで変わってしまいそうだ。


今はシュリンク革で作られたトートバッグに興味がある。東京の電車通勤にはブリーフバッグは非常に嵩張るので不向きだ。その点トートバッグは使い回しが利いて便利だ。日本橋の三越でもブルーのトートを見せてもらったが、とてもかっちりと作ってあって素敵だった。その他様々な革材のブリーフケースに触れてきたが、革はどうしても重量があるので、目指すはトートバッグだ。

 

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