ORTUS(オルタス)のリザードレザー マネークリップが完成!

年明け早々、嬉しい知らせが届いた。

1年3ヶ月前の2018年9月にオーダーしたマネークリップが完成したと銀座のORTUS(オルタス)の小松さんからメールを戴いたのだ。オーダーした時はまだまだ先だなと感じたものだが、あっという間に月日が流れたことを知った。

ORTUS マネークリップ-8
image by ORTUS

オルタスを主宰する鞄職人・小松直幸さんについて簡単に紹介する。

小松さんは専門学校をご卒業後、藤井幸弘さんが鞄工房『Fugee』にて8年間職人としてご活躍されたのち、靴職人・高野圭太郎さんと共同して『クレチマス銀座』を開業。オーダーの増加に伴って2012年に新富町にある現在の工房に独立・移転し、現在に至る。

海外での人気が高く、時計愛好家でもあるマーク・チョー(石賢正)氏が経営するセレクトショップ The Armouryの香港、NYC店でもトランクショー(受注会)を開催しており、今や引きもきらない人気アーティストだ。

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内装は黒のボックスカーフだ

内側を広げると、ボックスカーフのポケットが左右に縫い付けられている。ここにはカードが各1枚ずつ収納できる。実は2枚治めることも可能だが、革が伸びてしまわないよう1枚だけ入れている。僕はここん運転免許証とクレジットカードを収納している。とてもシンプルな構成だ。これならジャケット内側に滑り込ませてもシルエットを崩さないいう計算だ。

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金具のヴィンテージ感が素晴らしい。これはブラス(真鍮)を使用している

金具はマネークリップの重要な構成要素であるのは、言うまでもない。このあたり、例えばヴァレクストラ(Valextra)は非常に造りがしっかりしていると思うメーカーであるが、オルタスの工作精度の高さも引けを全く取らないのはさすがだ。

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金具はしっかりと固定されており、本体の革と分離されないよう配慮されている。

工作精度の高さとヴィンテージテイストの融和という点では、むしろあらゆるメーカーより先に行っているのがオルタスの特長だ。感心したのは金具と革材が容易に抜けてしまわないことだ。ちゃんと一体として作り込まれている証だ。

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ステッチは全て手縫い。この詰まったピッチに魅力を感じる。

そして、この薄いフォルムにあってフルハンドソーン(総手縫い)で縫い込まれているのは、相当な手間がかかっている。こうした革材の縫い付けは多くのメーカーがミシン縫いで行うことが殆どだ。手縫いのメリットは、力の掛け方を加減できるという点と糸が切れてしまった時の修理が容易であることだ。

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お札とカードを納めた様子

ここ数年の僕の決済手段の中心は電子マネーだ。僕の場合はQUICPAYとSUICAで決済することで支払いは足りてしまうし、銀行ATMも生体認証のみで利用できる金融機関を選んだのでカード不要だ。このマネークリップのように、カードは2枚入れば良いし現金も数千円あれば問題ない。

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Ganzoのクロコの小銭入れとともに。もちろん小銭入れのオーダーも可能だ

基本的に僕は革小物をクロコで揃えたいと考えていたが、オルタスにはリザードがよく似合うと思う。下手すると、とてつもなく品のない表情を見せるこの素材も、洗練されたフォルムに使われるととても上品だ。それに、革そのものが軽いというのもよい。この種のマネークリップは金具のウェイトが大きいので、重くなって洋服のバランスを損なうことがあるのだが、オルタスのマネークリップのウェイトバランスは最適である。これが計算されたものだとすれば、相当細かい仕事をしていることになる。

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リザードはリングマークオオトカゲの革だ。

リザードはクロコダイルに匹敵するほど耐久性が高いので、長期使用でケアが必要となってくるのは、内装のボックスカーフであろう。いつかは寿命がきてしまうのが革製品の宿命であるのだが、その崩壊の過程でとてつもなく美しい姿を見せてくれるのもまた事実である。それまでは修理しつつ使い続けるというのが、革製品との向き合い方だ。

もちろんオルタスの革製品であれば、小松さんがメンテナンスしてくれるので安心だ。

さて、このマネークリップの次はいよいよ鞄である。僕はロンドン・タンのブライドルレザーを使ったブリーフケースをオーダーしようと考えている。次の数年も同じように短いと感じられるだろうか。

店舗情報
店名 ORTUS(オルタス)
代表者 小松直幸
住所 〒104-0061 東京都中央区銀座1-24-5 パークサイド銀座2F
TEL 03-5579-9210
URL http://www.ortus-bag.com
営業時間 11:00~18:30 火曜定休
取扱品/納期目安 手縫いの鞄または革小物/2年(鞄)、1年半(革小物)

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