MONT BLANC MEISTERSTÜCK

 先週末Alain Delon 主演の映画 ’Plein Soleil’ (1960仏)を観た。主人公のTomが作中で手にしていたのはMONT BLANC MEISTERSTÜCKの万年筆。低階層出身の無教養な美青年(原作では醜い)という設定に一見不釣り合いなアイテムに見えるが、それこそ卑しい出の男の上昇志向を象徴しているようで見ていて哀れで、同時にMONT BLANCの筆記具を愛する自分にもまた知性だとかestablishmentに対する救いようのないコンプレックスを刺激されるような感覚を覚え、考え込んでしまった。
2000年2月に手に入れてかれこれ6年経ったボールペン(写真右)。クレジットカードと並んで(サイン用に買ったのだから)私の持ち物の中では最古参。数年前一度ツイスト機構が破損し修理に出したことと、つい先日も落下の憂き目に遭いペン先の樹脂が割れてしまったことから一部修理交換している。モンブラン製品の中では最小の部類になるのだがこれまでに紛失しなかったことが救いだ(というのも大学入学時に母に買ってもらったCartier、自分で買ったMontblancの万年筆2本を何と一年のうちに紛失してしまった苦い経験があるのだ)。
常に胸のポケットからのぞかせていただけに寂しくなってしまい、修理に出したあと今度はシャープペンシルを買ってしまった(写真左)。こちらは大振りのサイズで重量感もあり書き心地がよい。日本でシャープペンシル芯は0.5mmが標準(欧州では0.7mm)のため、これに対応する唯一のモデルM165を選んだ。私の仕事は意外とシャープペンシルを多用するのでビジネスツールとしての価値も高いのだ(社会人になったら鉛筆の類は使わないと思っていた)。
ビジネスの用途としてはこの2本で事足るのだが、やはりフラッグシップである149を手に入れたい。
願わくば流麗な字が書けたらなと思うこの頃である。そうか、私が筆記具を偏愛するのは字が汚いことに対するコンプレックスが原因か。意外とわかりやすい自分の心理に愕然。

 

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