K.Iwahashiが語るラグジュアリー論







【SIHH2019】カルティエ サントス クロノグラフ その独特なプッシュメカニズム

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'79年生まれ。1浪2留の流浪期を経て'05年に早稲田大学商学部卒業。 現在は金融業界で会社員として勤務。英文翻訳が得意。 ラグジュアリー全般に関する考察と海外発の腕時計情報をいち早くお届けします。

昨年からカルティエは猛烈な勢いで腕時計の質、とりわけユーザビリティを向上させてきていると感じるメーカーのひとつです。昨年登場したサントス・ドゥ・カルティエは僕自身、カルティエ ブティックでかなりの時間触らせていただき、仕上げの良さ、プロポーションの美しさ、容易なベルト交換QuickSwitchがもたらすユーザビリティの良さに驚嘆を覚えたほど。

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そんなカルティエがSIHH2019(ジュネーブサロン)で発表したのが、サントス クロノグラフです。で、この時計の仕上げが実に美しく、クロノグラフとしてもユーザビリティが最優先されています。早速見ていきましょう。

スチールモデルはADLC加工されたベゼルを持つ

まずスチールモデルを見ると、そのベゼルはブラッシュ加工された黒い素材に。これはADLC(Amorphous Diamond Like Carbon)というカーボンでコーティングしたステンレススチールで、非常に耐久性に優れた加工で、一般的なPVD加工で着色された金属よりも退色しにくい加工方法です。

僕がサントス・ドゥ・カルティエに感じた唯一の不安は鏡面仕上げされた生身のステンレスは非常に傷が付きやすいだろうという点で、それは多分見当外れではなかったことが、このモデルで証明されました。

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WSSA0017 image by aBlogtoWatch

ブレスレットにはビス留めの意匠の入ったラバーが追加されました。ベゼルと相まって非常にスポーティでカッコいいですね。モールド加工されている点が僕は好きです。

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WSSA0017 image by aBlogtoWatch

バックルはカルティエの伝統的なC型フォールディングバックルを踏襲しつつ、プッシュボタン式を採用したことは大きな進化です。ラバーの折り返しの様子から、かなり柔らかいラバーであることがわかりますね。ジャストサイズに調整できるところが、カルティエのフォールデングバックルの素敵な所です。

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WGSA0017 image by aBlogtoWatch

ピンクゴールド(PG)とアリゲーターストラップの組み合わせは、一転して実にクラシックな印象に。6時位置の末広がりなデイト窓はこの文字盤のシメトリカル(左右対称性)を強調していて、好感が持てます。僕は6時位置デイトが好きでは無いのですが、カルティエのこのデザインは唯一許せますね。

筋目が織りなす美しい文字盤

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W2SA0008 image by aBlogtoWatch

縦に筋目の入ったレクタングルな中央部と放射状の筋目の絶妙な組み合わせには惚れ惚れとしてしまいます。やはりサントスはステンレスとイエローゴールドのコンビがこのモデルを最も象徴していると認めざるを得ないですね。

独特かつユーザビリティに優れたクロノグラフ

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W2SA0008 image by aBlogtoWatch

9時位置に取り付けられたプッシュボタンはクロノグラフ用。とはいっても、このサントス クロノグラフはモノプッシャー(一つのボタンでスタート/ストップ/リセットを操作する)方式ではありません。このボタンで操作できるのはスタート/ストップだけ。となると、リセットはどこで操作するの?

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W2SA0008 image by aBlogtoWatch

その答えは何と、リューズを押し込むことでリセット操作を行うのです。これには驚くと同時に非常に合理的であると感心しました。通常のクロノグラフは中心部にリューズ、2時位置にスタート/ストップ、4時位置にリセットボタン(オメガ スピードマスターを想像してみましょう)とボタンが手の甲に当たって痛いほどですが、サントス クロノグラフはリューズ周りがスッキリしていながら、クロノグラフとしてのユーザビリティを少しも損なっていないのです。

搭載するクロノグラフムーブメントは1904-CH MCで、すでにカルブル・ドゥ・カルティエ・クロノグラフで採用されているインハウスムーブメントです。審美性という観点では物足りない面があるのの、そもそもケースバックはシースルーではないことから、気にならないでしょう。

感想

幅43mmとやや大きめのケースサイズではありますが、美しい仕上げが施されたケースと文字盤、ストラップをシーンに応じて交換できる使い勝手の良さ、クロノグラフの操作の明快さが非常に気に入りました。

僕はスポーティなステンレススチール×ADLSモデルが気に入りました。これで100万円を大きく切るなんてちょっと信じられません。だって、ストラップ/ブレスレットも3本着くんですよ奥さん!

カルティエ サントス クロノグラフは2019年4月に発売予定です。

 

基本情報
メーカー Cartier(カルティエ)
モデル/型番 Santos Chronograph /WSSA0017(SS×ADLC) 、 WGSA0017(PG ) 、W2SA0008(SS×YG)
横×縦×厚さ 43.3mm ×51.3mm ×12mm
ケース素材 ステンレス×ブラックADLC(SS×ADLC)、ピンクゴールド(PG)、ステンレス×イエローゴールド(SS×YG)
防水性能 100m
ブレスレット QuickSwitchによる工具不要の交換システム。アリゲーター、ラバー、メタルブレスレットの3本が付属する。
価格/発売時期 EUR 7,200(SS×ADLC;89.5万円)、EUR11,500 (SS×YG;143万円)、EUR 20,000(PG;248.5万円)/2019年4月予定
ムーブメント情報
キャリバーNo. 1904-CH MC
巻上方式 自動巻
振動数 28,800
石数 35
調速機構 緩急針
パワーリザーブ 48時間
参照元
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