K.Iwahashiが語るラグジュアリー論







ヴァシュロン コンスタンタン トラディショナル・ツインビート・パーペチュアルカレンダーはスタンバイ状態なら65日間パワーリザーブ!?

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'79年生まれ。1浪2留の流浪期を経て'05年に早稲田大学商学部卒業。 現在は金融業界で会社員として勤務。英文翻訳が得意。 ラグジュアリー全般に関する考察と海外発の腕時計情報をいち早くお届けします。

ジュネーブサロン(SIHH2019)で最も話題となってであろう作品はVacheron Constantin(ヴァシュロン コンスタンタン)のトラディショナル・ツインビート・パーペチュアルカレンダーでしょう。

パーペチュアルカレンダーとは”永久カレンダー”、つまり月末の日付調整の不要な時計の機構を指し、厳密には西暦が「100で割り切れるが400で割り切れない」2100年2月は閏年とならない平年となるため日付調整が必要になるものの、現代を生きる人の大半にとっては事実上「永久に」日付調整の必要のない時計となるのです。vacheron-constantin-traditionnelle-twin-beat-perpetual-calendar-front
さて、この永久カレンダーの最大の欠点は何でしょう?

それは時計が停止してしまった時の日付調整が困難を極めるということに尽きます。ある人はサービスセンターに駆け込む必要があるでしょう。

したがって、永久カレンダーを所有する人はコレクター気質の高い人でもあるので、ウォッチワインダーに時計をセットして、金庫に入れっぱなしにする人も少なくないでしょう。

永久カレンダーは紛れもなく複雑機構のひとつと言えるのですが、近年はモンブランに見られるように、100万円台のモデルも珍しくありません。それだけ、普及してきているのではないでしょうか。それだけ、購入のハードルが下がってきているということでもあり、上述のようなトラブルに見舞われる声も高まってきているのでしょう。

ある意味、永久カレンダーと自動巻機構はセットである必要があるのですが、ヴァシュロン コンスタンタンは手巻き式の永久カレンダーを投入してきました。いくら長時間のパワーリザーブを確保しても、数日毎に手でリューズを巻く行為はよほどの時計マニアか時計のリューズを巻く専任のスタッフを雇わないと持ちません。

しかし、このトラディショナル・ツインビート・パーペチュアルカレンダーは65日間ものパワーリザーブを確保しているという触れ込みです。一体どうやって直径40mm、12mmの厚みにそんなエネルギー源をパッケージできたというのでしょう?
vacheron-constantin-traditionnelle-twin-beat-perpetual-calendar-cal-3610 QP
その秘密は、シースルーバックから覗くCal.3610QPにあります。一見して普通のムーブメントと異なると判別できるのは、2つのテンプが備えられているという点です。

日々装着する日常モードでは、小さいテンワに動力が伝わります。この時、振動数は5Hz(36,000vph)と一般的な腕時計が4Hz(28,800vph)であることを考慮するとハイビートな仕様です。このモードでのパワーリザーブは4日間です。手巻きとしては煩雑ではないと感じる程度のパワーリザーブです。

夏場など、しばらく装着しないスタンバイ(待機)モードでは、大きいテンワに動力を切り替えます。その振動数は4分の1未満に落ち、1.2Hz(8,640vph)という超ロービートへ。このモードでは実に65日間のパワーリザーブを確保することができます。

5Hz /1.2Hzのモード切替は8時位置のプッシュボタンで操作します。どちらのモードかは8〜9位置のインジケータで表示し、12時位置のサブダイアルにはモード別のトラックが書かれたパワーリザーブ計が配置されます。
vacheron-constantin-traditionnelle-twin-beat-perpetual-calendar-cal-3610 QP
残念ながら、1.2Hzモードでは平置きにしないと精度が大幅に狂ってしまうため、装着はできません。しかし、永久カレンダーが止まってしまう可能性を考え得る最もシンプルな方法で実装したこの時計の価値は非常に大きいでしょう。

ダイアル(文字盤)のデザインも秀逸で、磨りガラスのような月、日のサブダイアル、6時位置にひっそりと配された閏年カウンターもバランスが絶妙です。上半球はギョーシェ彫りのグレーの紋様がモダンな印象です。

トラディショナル・ツインビート・パーペチュアルカレンダーは2019年中の生産が5本と非常に限られ、21万ユーロ(2,624万円)で販売される予定です。

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