今さらながらゼニス 『デファイ クラシック』の出来が恐ろしく良いことに気づきました。
ZENITH(ゼニス)が2018年のバーゼルワールドで発表したDEFY Classic(デファイ クラシック)。
発表当時は何とも思わなかったのですが、最近になってその魅力に取り憑かれるようになりました。僕の感覚がようやくゼニスの先進性に追いついたと言うべきか。
何と言っても、このデファイはLVMH(ルイ・ヴィトン・モエ・ヘネシー)傘下のブランドであり、このデファイ クラシックはジャン・クロード・ビバー氏が指揮を執っていたころに発表されたモデルでもあります。ビバー氏が第一線から引退してしまった今、このデファイ クラシックは『ビバー氏が手がけた最後の時計』となってしまうかもしれません(そう、スティーブ・ジョブスのiPhone4sのように)。
それにしても、これだけごちゃごちゃしたオープンワーク(スケルトン文字盤)でありながら、視認性が損なわれていないのは、音叉に似たフォーク型のブリッジの整合感に拠る処が大きいと思います。針の力強さのおかげで、浮いた感じがないのはさすがですね。
素晴らしいのはケースの薄さで、チタン製のケースの厚みは10.75mmとかなり頑張ってくれました。41mm径のケースですが、このとおりラグが短いので、装着した際の大きさはそれほど意識しなくて済むでしょう。
ケースバックから覗くCal.Elite 670 SK。この3.88mmの薄型ムーブメントがケースの厚みを抑えることに貢献してくれました。スムーステンプを超速するのは微動調整機能付きの緩急針。ヒゲゼンマイと脱進機にはシリコン素材を使用していることから、耐磁性は期待できそうですね。10mmを切るとより魅力的なのですが、100mの防水機能を確保するためにはこの厚みが必要だったのでしょう。
チタンブレスレット、ラバー、ラバーにクロコダイルを薄く貼ったストラップの3種が用意されます。チタンブレスレットの仕上げは見事ですし、素材から見て軽いことは間違いないのですが、スケルトン文字盤にはラバーもしくはクロコラバーがマッチすると思います。どちらも欲しい方は、チタンブレスレットモデルを購入してから、別注すると良いと思います。逆にしないよう注意です(高くつきます)。
このDEFY ClassicはRANGE ROVER Evoqueとコラボした限定モデルが2018年11月に発表されたばかり。Evoqueのホイールのデザインが文字盤のブリッジに表現されています。こういうさり気なさは実に粋です。
いかがでしたでしょうか?
ゼニス デファイ クラシックはシャツのカフの下に収まるスポーツラグジュアリーウォッチとして、かつてビバー氏が在籍したオーデマ・ピゲ『ロイヤルオーク』のDNAを色濃く受け継いでいる印象を持ちました。チタンケースにシリコン素材のムーブメントパーツという先進性も実に魅力的。そして、価格はラバーストラップモデルが756,000円と手の届きやすい価格帯で展開しています。
基本情報 | |
メーカー | ZENITH(ゼニス) |
モデル/型番 | Defy Classic /95.9000.670/78.M9000(チタニウムブレス);95.9000.670/78.R584(クロコラバー);95.9000.670/78.R782(ラバー) |
縦×横×厚さ | 直径41mm×厚み10.75mm |
ケース素材 | チタニウム |
防水性能 | 10気圧 |
ブレスレット | チタニウムブレス;クロコラバー;ラバー |
価格/生産数 | CHF 7,500(チタニウムブレス);CHF 6,500(クロコラバーもしくはラバー) |
ムーブメント情報 | |
キャリバーNo. | Elite 670 SK |
巻上方式 | 自動巻 |
振動数 | 28,800 |
石数 | 27 |
調速機構 | 緩急針 |
パワーリザーブ | 50時間 |
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