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1973年ブルヘッド復活!シチズン プロマスター エコドライブ 『ツノ』 クロノグラフ レーサー

HODINKEEの記事からシチズン プロマスター エコドライブ 『ツノ』 クロノグラフ レーサー(日本未発売)を紹介します。

“ブルヘッド”のクロノグラフで有名なのは、『オメガ シーマスター ブルヘッド』シリーズですね。クロノグラフのストップ/リセットボタンが牛の耳のような形となることからブルヘッドという愛称が付いています。オメガがシーマスター ブルヘッドをリリースしたのが1969年。70年代は各社がブルヘッド型のクロノグラフをリリースしました。

シチズンがこのデザインを真似たのが1973年の『チャレンジマスター』。もちろん当時はフライバック機能を持つ自動巻クロノグラフムーブメントCal.8110Aを搭載していました。

オメガがシーマスターにブルヘッドを復活させたことに呼応してか、シチズンからも『TSUNO(角)』として、全く新しいデザインで登場したのが、このプロマスター エコドライブ 『ツノ』 クロノグラフ レーサーです(長い!)。

12時位置に操作系が集中しているのは、ストップウォッチのように、持ちやすさを考慮したもので、腕につけたままでも計測が容易となることを目的とした合理的な理由があります。
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とはいえ、元々は3時位置に操作が集中することを想定したキャリバーE210を90°左に回転させて流用したものであることは、1〜2時位置のデイト配置からも明らかであり、若干の「取ってつけ」感は否めないわけであります。
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また、操作系の特殊な配置によって、ブレスレットを取り付けるラグを確保できないので、パテック・フィリップのノーチラスのようなブレスレットと言えば聞こえは良いのでしょうが、革ベルトへの交換は別作オーダーする必要がありそうです。

とはいえ、ブレスレットはそのまま使う分には仕上げも十分に施されたものであり、充分と言えそうです。
ケースサイズは45mm、厚みは16mmとボリュームのある形状となりましたが、操作系が手首に干渉しないことで、装着性は配慮された設計です。

肝心のクロノグラフはクロノグラフ秒針の、機械式のようなスイープ運針は時計愛好家には嬉しい仕掛けです。シチズンはフライバック機能を謳っていますが、操作系はどう見ても普通のクロノグラフなので、独自に定義している可能性があります。

12時位置に60分積算計、6時位置に12時間積算計が配されています。3時位置のスモールセコンドはステップ運針で駆動します。

この“メカクォーツ”の代表格として、ジャガールクルトが1987年に開発したキャリバー631が有名です。このムーブメントはIWCのフリーガークロノRef.3741に搭載されていて、僕が大学生の頃(2000年代前半)によく見かけました。citizen-tsuno-chronograph-AV0070-57L
5時位置にはアラームセット用のリューズがみとめられます。そう、このクロノグラフはアラーム機能まで備えているのです。アラーム音は大きすぎず、大ぶりな躯体からはかなり控えめな印象。

シチズン プロマスター エコドライブ 『ツノ』 クロノグラフ レーサーはシチズンUSAにて$895でリテールしていますが、残念ながら日本では未発売なので、プレミア価格を支払って逆輸入版を入手するしかありません。

60年代の復刻がひと段落した2018年現在、機械式時計にとっては迷走の暗黒の70年代の奇抜な時計が注目されてきているように思えます。70年代生まれとしては微妙な気持ちですが、現代の技術水準は当時の近未来デザインにようやく追いついた感があるのも事実。70年代ヴァイヴの時計の登場はこれからしばらく続くでしょう。

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