K.Iwahashiが語るラグジュアリー論







オメガ スピードマスター アポロ11号 50周年限定モデルがスチールケースで登場!【Time To Move】

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'79年生まれ。1浪2留の流浪期を経て'05年に早稲田大学商学部卒業。 現在は金融業界で会社員として勤務。英文翻訳が得意。 ラグジュアリー全般に関する考察と海外発の腕時計情報をいち早くお届けします。

2019年初となるスウォッチグループの見本市Time To Move(タイム・トゥ・ムーブ)で発表されたオメガ スピードマスター アポロ11号 50周年限定モデル(310.20.42.50.01.001)。ステンレススチールにムーンシャインゴールドベゼルを備えた本作ですが、3月上旬に1,014本限定で登場したバーガンティ色のベゼルを備えたムーンシャインゴールドケースの「よりアクセシブル(入手しやすい)」モデルです。

ムーンシャインゴールド(Moonshine Gold)はパラジウムの含有量を増やした18カラットのイエローゴールドで、やや青みがかった特徴を持つと同時に、経年変色に耐えうる素材としてオメガが導入した貴金属です。

そんな新たな貴金属をベゼル部分に使用していますが、不思議と「コンビモデル」のような通俗さは感じません。それは、ベゼルの表面を黒色のセラミック製のベゼルプレートが覆っているため、ムーンシャインゴールドが輝きを放つのはエッジや側面のみと控えめであるため。タキメーターの印字はセラゴールドで描かれますが、実に調和した配色ですね。

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スモールセコンド計には船外作業する宇宙飛行士が描かれる Image by HODINKEE

この妙味を破綻なく表現できているのは文字盤の配色の貢献も大きい。ブルーの入ったマット感のあるグレー文字盤にはミニッツトラックとクロノグラフのコンパックス(円)に黒色を配しています。このことがい素材感を見事に中和しています。

スチールブレスレットは両端がポリッシュされた3連ブレスですが、縦幅の狭いバンブー(竹状)ブレスレットを想起します。バンブーブレスは30〜40年代に流行したヴィンテージを感じさせる造形。文字盤と同様バックル部分のΩマークも旧型のロゴが象られています。これらは第4世代のスピードマスター(ST 105.012-65)に影響を受けたものだそうです。

腕時計が収められるケースは非常に凝った造りで、スチールブレスレット交換用にコーキングされたベルクロストラップとバネ棒外し用のプライヤーが収められています。しかし、素人の交換作業はラグを傷つける可能性が高いので、そろそろオメガは工具不要のブレスレット交換を考え始めた方が良いかもしれません。

そして、ムーブメントもアップデートされています。レマニア1861の手巻きクロノグラフが古典的な外観という意匠はそのままに、コーアキシャル脱進機を考案した故ジョージ・ダニエルズ氏のオリジナルに近い3層のガンギ車を使用した脱進機を採用したCal.3861を搭載。もちろん、シリコン部品を多用し15,000ガウスの磁力にも耐えうるMaster Chronometer仕様です。精度は日差0〜5秒という驚異的な成績を叩きだします。

Cal.3861
Cal.1861からCal.3861へのアップデート

パワーリザーブが従来と同様、48時間ということですが、クロノグラフ作動時でも持続時間が変わらないなど余裕を感じさせます。個人的には古典的な構造を数十年量産した方が部品確保などのメンテナンス性は確保できると考えているので、Cal.1861と並存する道がベターかなと思います。

ケースバックはトランスパレントではなく、アポロ11号のニール・アームストロング船長の名言”THAT’S ONE SMALL STEP FOR A MAN – ONE GIANT LEAP FOR MANKIND.(私自身には小さな一歩だが、全人類にとって大きな飛躍である)”とともに、彼の足跡が黒色のプレートにエッチングされています。

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THAT’S ONE SMALL STEP FOR A MAN – ONE GIANT LEAP FOR MANKIND. Image by HODINKEE

アームストロング船長が月面に降り立ったのは1969年7月20日米国東部夏時間10:39です。50周年を迎える2019年にこの時計を入手するなら、時差(△13時間)を考慮しても7月20日に入手できるのが周年モデルに相応しい買い方です。人類の月面着陸から50年も経ったんですね。今の技術水準から考えても、かなりハードルの高い命を賭けてようやく達成できた類の偉業だと思います。

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存在感抜群

僕自身、昨年シーマスター1948を誕生70年目の2018年中に入手するオーダーが見事に裏切られてキャンセルした辛い経験があるのでオメガの限定モデルから距離を置きたいところですが、2019年に入り、生産から納品までの在り方を見直すというアナウンスもあったので、改善されていることでしょう。これを機にリクエストされてはどうでしょうか?

基本情報
メーカー OMEGA
モデル/型番 Speedmaster Apollo 11/Ref, 310.20.42.50.01.001
直径 42mm
ケース素材 ステンレススチール/18Kムーンシャインゴールド(ベゼル)
防水性能 120m
価格/発売時期 1,030,000円(税抜)/2019年7月 限定本数6,969本
ムーブメント情報
キャリバーNo. Cal.3861
巻上方式 手巻
振動数 21,600
調速機構 3層式コーアキシャル/フリースプラング
パワーリザーブ 48時間
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