パネライ ラジオミール1940『アール・デコ』の隠れた利便性とは…

HODINKEEからパネライの新作情報です。Panerai Radiomir 1940 Art Deco Dial(パネライ ラジオミール1940 アール・デコ ダイヤル)の黒とアイボリー(クリーム)色の文字盤の2モデルがリリースされました。各々300本限定です。

アール・デコは1920年代のフランスにおける装飾芸術を指します。幾何学図形を用いた記号的表現や原色対比など様々な特徴が語られますが、ドイツのバウハウスやジャポニズムなどパリ万国博覧会がもたらした異文化のミックスがある意味昇華した芸術だと僕は解釈しています。

そのアール・デコ的文法を文字盤のデザインに持ち込んだ「ラジオミール1940 アール・デコ」はケース形が47mmと、従来のラジオミールの大きさを踏襲しています。アール・デコを引用しながら大ぶりのサイズを取り入れたところに「1940」らしさがありますね。

HODINKEEのStephan Pulvirent氏は47mmではなく、38mmのケースサイズこそ相応しいと評しています。

僕はパネライのブランドの立ち位置から47mmを選択して正解かなと思います。アール・デコを現代的に取り入れるのは同じリシュモン・グループのジャガールクルトの領域だと考えるからです。

搭載するムーブメントは3日間パワーリザーブ手巻きのCal.P.3000。もちろんフリースプラングムーブメントです。防水性能は100m。ただし、レザーストラップ仕様なので誰も水に浸かることは考えていないでしょうが。

今回の文字盤のデザインで非常に魅力的なのが、ミニッツマーカーがちゃんと配されているところですね。僕もラジオミール42mmを所有していた経験から言うと、アワーマーカーしかない文字盤というのは時刻合わせが非常にストレスになるんです。特にこういう手巻き時計はたまに着けることを想定しているでしょうから、時刻合わせが必須なんです。

そもそもパネライを選ぶ人はイタリア的な大らかさを備えているべきという声もありますが、ミニッツマーカーをプリントしたということは、当のイタリア人のユーザーからも要望の声が上がったのではと思います。

イタリア人も日本人が考えているほど、個人主義的でも大らかでも女たらしでもないかもしれません。

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