ボーム&メルシェ クリフトン ボーマティック COSCクロノメーター

HODINKEEのJack Forster氏がBAUME&MERCIER CLIFTON BAUMATIC COSC(ボーム&メルシェ クリフトン ボーマティック COSCクロノメーター)をショートビデオ付きでレビューしています。

まさにこの時計は「Value  Proposition(対価に見合った商品)」を示した時計で、リシュモングループが2015-2017年に味わった苦境の中で、知恵を絞って生み出した時計だと僕は思います。そして、僕自身もこの時計を愛用しています。
ビデオの中で、Jack Forster氏が指摘するのは日付の後付け感で、その他の点については、概ね高評価です。

シリコン素材を脱進機やヒゲゼンマイに用いたメーカーはこの20年で、スウォッチグループのTISSOTやオメガ、独立系ではPATEK PHILIPPEが挙げられます。

リシュモングループがシリコン素材を採用したのが、ハイブランドであるJaeger-LeCoultre(ジャガールクルト)、IWC、PANERAI(パネライ)ではなく、エントリーユーザー向けのボーム&メルシェであることは意外です。

クリフトン ボーマティックシリーズの原型は2017年にローズゴールドケースの高級機CLIFTON MANUAL1830です。この時計は手巻きではあるのですが、ボーマティックが採用するRef.BM12-1975Aから自動巻き機構を除いたムーブメントを積んでいます。しかし、価格は160万円でした。

しかし、2018年になって薄型で、5日間のパワーリザーブの自動巻き、それもCOSCクロノメーター認定のステンレンススティール製のボーマティックをCLIFTON MANUAL1830の数分の1の価格で出してきたのです!

デザイン

ボーマティックの文字盤に目を移すと、長めの三角状のアプライドインデックスに、キチンと配列されたミニッツマーカー、5分おきにプリントされたアラビア数字、アルファハンドの針。これらの全てが読みやすく、時計の精度と長期安定に価値を見出すユーザーに好感をもたらします。同時に、時刻合わせが非常に容易です。Baumatic

文字盤を4分割する十字線は、時計に対する信仰心のようなものを喚起させます。

Jack Forster氏による1週間のテストでは、暗所での視認性以外は何も問題が生じなかったということです。

デイト表示に関してはボーマティックのクラシカルな趣に対して、現代的なフラットデザインであるのは対照的。まるで、格式の高いパーティにおける招かれざる客だとForster氏は評します(この辺りの表現はさすがと思います)。

ボーマティックはこれ見よがしでない、落ち着いた雰囲気を持ちながら、現代的な高品質をケースに持ち込んだ時計です。ケースサイズは比較的薄型の直径40mm、厚み10.3mm。そして、細いベゼルはケースの側面のほぼ一部とみなされるほど端に詰めていて、この文法はミッドセンチュリーの高級時計のようです。

ラグの落ち着いた湾曲は控えめなグレースノートを添えているのと同時に、無機質な印象を与えないように配慮されています。そして、鏡面仕上げとサテン仕上げの使い分けはケースの均整を際立たせています。

ムーブメントの精度

Jack Forster氏の1週間のテストによると、日差は+2秒だったようです。シリコンコンポーネントを多用していることを考えると、長期精度も同様と期待できますね。BM12-1975A

ボーマティック COSCクロノメーターの良さと言うのは、日々着用することでジワジワと実感するものです。だから、当面はセールス面で苦労するかもしれません。

まとめ

日常使いの時計に人が求めることとは、結局のところ、飼い犬に求めるのと同じ、日々変わらず実直であることと忠実であることなのだ。

ボーマティックにパッと見で飛びつく人はいないと評価していますが、日本人はこの辺りの目利きに長けているようで、ボーマティックのノンクロノメーターを見かけることはあっても、COSCクロノメーター版を店頭で見かけることはほとんどないですね。

身に着けるごとに良さがわかる、というのがこの時計の素晴らしいところです。[topic color=”green” title=”【まとめ】に戻る”]【まとめ】ボーム&メルシェ クリフトン ボーマティック COSCクロノメーター

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