K.Iwahashiが語るラグジュアリー論







ブルガリ『オクト フィニッシモ オートマティック サンドブラスト スチール』はPPノーチラス、APロイヤルオークと対極にあるラグジュアリースポーツ時計だ!

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octo finissimo automatic sandblasted steel
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'79年生まれ。1浪2留の追加モラトリアムを経て'05年に早稲田大学商学部卒業。 現在は金融セクターのIT部門にて(マジメに)勤務。 時計や車などのラグジュアリー、服飾、DTM、それらにまつわる書籍の記事が得意です。

MONOCHROME WATCHESのアーカイブ記事からブルガリ オクト フィニッシモ オートマティック サンドブラストを紹介します。

『ブルガリ オクト フィニッシモ オートマティック』は2017年のバーゼルワールドで最も印象的だったとは言わないまでも、その年の印象的な時計の一つだった。極薄というだけでなく、超個性的であり、現代的なデザインは然り、デザインには魂が宿っており、かつ技術の上でイノベーティブに溢れていた。確かに、他ブランドで同じくらい薄型も作品(ピアジェ アルティプラノ910P)はあったのだが、ここまで大胆かつ洗練されたものではなかった。チタン製のケースを見るや「これぞ完璧な時計」だと思った。しかし、それはバーゼルワールド2018でサンドブラスト仕上げされたスチールケースを見る前の話だ。

さて、チタンとスチールでは大きく変わっただろうか?印象の上では「yes」。だが、スペックの上では「no」だ。

2017年のバーゼルワールドでブルガリ オクト フィニッシモ オートマティックが発表されて暫くして、僕は名古屋のブルガリブティックで初めてオクト フィニッシモに触れました。

この時は並行輸入店での販売価格(定価の半額)と大きく乖離していたこと(僕は資産価値も重要視します)、30m防水に不安を感じたこと、ムーブメント(Cal.BLV138)がフリースプラングでないことを理由に、何とか購入を逸る気持ちを抑えました。何せ160万円の買い物です。おいそれとは手が出ません。でも、この時計に触れた時の感動は今でも忘れられません。それくらい自分の感性にピッタリ合ったからなのです。

しかし、嵐は今年もやってきました。何と、チタニウムだけではなく、ピンクゴールド、そしてステンレススチール製のケースのヴァージョンがバーゼルワールド2018で発表されてしまったのです!

MONOCHROME WATCHESのBRICE GOULARD氏は僕の嗜好と近くて、何本も時計を持たずに現行品を徹底的に使い込むスタイルを貫いています。かつてはビンテージのオメガやホイヤーを所有していたそうですが、ダイバーズやクロノグラフなどのスポーツウォッチに傾倒。しかし、タキシードを着る機会に、これらスポーツウォッチはドレスコード的に不適切であることに気づきます。かといって、ドレスウォッチの類は好きになれない。

そこで、ラグジュアリースポーツウォッチに解決を見出します。パテックフィリップ(PP)のノーチラス(5711)、オーデマ・ピゲ(AP)のロイヤルオーク(15202ST)、ヴァシュロン・コンスタンタンのオーバーシーズが代表格ですが、GOULARD氏には「エレガントさ」が物足りませんでした。そこに彗星の如く現れたのがオクト フィニッシモだったわけですね。

バーゼルワールド2017バージョン

オクト フィニッシモ オートマティックについて、まず抑えておくべきと点は極薄のケースです。5.15mmのケース厚は2017年当時最薄でした。これはムーブメントの厚みが2.23mmしかなかったことから実現できたことです。「薄さ」はラグスポを定義する重要な要素の一つです。そこがこのオクト フィニッシモは抜きん出たところなのです。因みにPPのノーチラスのケース厚は8.3mm、APロイヤルオークは8.1mmで、これらはオクト フィニッシモに比べて「60%も厚い」のです。

また、ケースにチタニウムを採用したことは、軽さと耐久性以外に「悪目立ちしない」という利点をも与えてくれました。

バーゼルワールド2018年バージョン

結論から言うと、サンドブラストスチール(ステンレス)の方がチタンよりも良いようです。ステンレスといっても、マットな梨地で全く輝きがないのです。そして、腕に纏うと、肌に溶け込むように同化します。光の乱反射がなく、あるとしても暖色や寒色に色彩が変化するような様相です。

これは単に鉄を使っただけでなく、マット加工後に0.175ミクロンの金をコーティングした上にさらにパラジウムとロジウムでコーティングした効果でしょう。その結果、シルバーよりむしろ、白色に近い色をしています。

そして、重さが心理面に与える影響が大きいようですね。チタンは軽く、腕に乗せると何となく頼りなさを感じた一方で、サンドブラストスチールは確かな重さがあって安心感を感じたということです。

結論

PPやAPのラグスポウォッチは源流が1970年代であることから、40年前のデザインにどうしても縛られる面があります。それに対して、オクト フィニッシモ オートマティックは今まさに到達した高みにあるデザインなんですね。そこに利があるのは、やはり後者ではないかとMONOCHROME WATCHESは締めています。

仕上げ面ではPPやAPには当然敵いませんから、値段は当然それらの数分の1。と言っても、12,900ユーロ(税抜146万円)です。

僕は感情面ではこの時計に相当入れ込んでいるものの、理性面(スペック要求水準)が購入を思いとどまらせています。でも、いつか決壊するだろうな〜

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'79年生まれ。1浪2留の追加モラトリアムを経て'05年に早稲田大学商学部卒業。 現在は金融セクターのIT部門にて(マジメに)勤務。 時計や車などのラグジュアリー、服飾、DTM、それらにまつわる書籍の記事が得意です。
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