K.Iwahashiが語るラグジュアリー論

モリッツ・グロスマンのブティックを訪問して100年は使える腕時計を見てきました

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モリッツ・グロスマン







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'79年生まれ。1浪2留の追加モラトリアムを経て'05年に早稲田大学商学部卒業。 現在は金融セクターのIT部門にて(マジメに)勤務。 時計や車などのラグジュアリー、服飾、DTM、それらにまつわる書籍の記事が得意です。

2018年のゴールデンウィーク初日、クロノス編集長の広田雅将さんからお誘いいただき、東京は文京区茗荷谷にあるモリッツ・グロスマンのブティックで作品を堪能できるクローズドイベントに参加しました。

実はモリッツ・グロスマンは初見ではなく、名古屋市東区にある時計店「時計・宝飾ヒラノ」の平野明良さんにヒラノオリジナルの36mmのテフヌートを拝見させていただき、その仕上げの変態ぶり(失礼)に感銘を受けたものです。

今回はモリッツ・グロスマン・ジャパン株式会社様のご厚意により数多くのモデルに触れることができ、本当に貴重な機会をいただきました。この場を借りて感謝申し上げます。

イベントは広田編集長の解説付きで進められました。広田さんご自身もオーナーであり、説得力抜群。

この時計ブランドの特徴は、懐中時計時代のムーブメントの堅牢性を現代に甦らせたという点に尽きます。それだけ各部品の焼き入れ/焼き戻しを徹底して施し、部品を平滑にすることに心を砕いているようです。

社長のクリスティーネ・フッターはこの業界には珍しく女性CEO。だからか、工房には多くの女性が働いています。歯科技工士だった時計師もいたりと、多士済々な50人ほどの中小企業です。

M.グロスマンはランゲ&ゾーネと同じく過去の時計業界の功労者の名を冠したブランドですが、ヨーロッパでラグジュアリーブランドを立ち上げるには“歴史の重み”が必要なのです。ヒストリーがあればこそ、語られるストーリーもあり意匠にも重みを与えることができるからです。

この辺りのブランド構築はあざといまでにヨーロッパの企業が得意とするところです。例外はリシャール・ミルですが、それはあの“エクストリーム時計”のポジションに競合がいないからできたことなのです。

話はそれましたが、早速写真で紹介していきたいと思います。

用意いただいた時計の数々。ルーペで細かく観察することができました。

イベント中、とても美味しいドイツ産のビールが振舞われました。ドイツのビールも冷えた方が美味しいことが判明。早速自宅用に調達しちゃおう。

Ref.MG-000688入門機に当たるアトゥム・ピュアM。文字盤中央部がメッシュ(網目)になっており、中のムーブメントの様子が伺えます。かなり思い切ったデザインで賛否両論を呼んだことでしょう。

cal.201.0入門機ゆえ、ムーブメントは装飾の施されないキャリバー201.0が搭載されています。それでも、オールドロンジンの粒金のような質感は好感が持てます。

受け石は上級機と同じホワイトサファイアがセットされています。

ヒゲゼンマイはニヴァロクス社製Nivarox-1を使用。平ヒゲですね。

Ref.MG-001855アトゥム37です。その名のとおり、直径37mmのケースは日本人にどストライクなサイズ感ですね。これが一番欲しいと思いました。ただ、ローマンインデックスがややポップな印象なので、女性に向けたモデルなのかもしれません。

モリッツ・グロスマン キャリバー102.1. テンプ側キャリバー102.1の仕上げの美しさは超絶ですね。角穴車のサンバースト仕上げの深みは、これぞグラスヒュッテの様式美です。テンプには長い緩急針が見えますが、両サイドからスプリングで固定しているので調速には使わず、テンワに仕掛けられた偏心錘6個の抜き差しで精度を詰めるのです。

立体的な構造で、写真を撮るのが非常に難しいです…

焼き戻すことによってブラウンに発色させたスチール製の針。メンテナンス時で交換されることなく、使い続けることが可能なほど耐久性が高いのです。

ローマンインデックスの文字盤は針にもう少し力強さが欲しいところです。この辺りは先に成功を収めているランゲ&ゾーネの方が洗練されているかもしれません。

こちらが最新の普及用ムーブメントキャリバー100.1です。102.1との違いは、コハゼが小型化されたのが一目でわかるポイント。そのほか、ヒゲゼンマイがブレゲ巻き上げ式になった(姿勢差の精度向上)、時刻合わせの際のストップセコンド解除機構に対応しています。

Ref.MG01.I-04-A000785日本国内向けの限定モデル。日本人受けするには鉄道時計と旧軍用時計のテイストを“程よく”入れてあげなければいけません。その両方が均衡しています。

MG01.I-04-A000785ドイツ時計はムーブメントにこだわりすぎてガワ(外装)が疎かになりがちですが、グロスマンのケースは繊細さが感じられました。

モリッツ・グロスマン・ジャパンの久住氏による解説。長身で上品で知的な方でした(羨ましい)。

広田さんとの記念ショット。私、かなり酔うておりました。当日は子どもの小学校の授業参観を済ませてから移動しました。

感想

エントリーモデルで200万円、通常モデルで400万円となかなか手の出ない時計ではあります。

だけど、この時計の価値は子どもから孫へと数世代に渡って受け継ぐことのできる耐久性の高さにあります。極端なことを言えば、この会社が存続しなくても、しかるべき時計師の許へ持ち込めば100年は使い続けることができます。そういう造りをしているのです。

裏を返すと世に出回る多くの時計は、時計メーカーが存続し、さらにその部品がストックされていないと50年どころか30年の使用すら危ういのです。例えばロレックスは日本国内のメンテナンスサービスに300人の人材を割いているからこそ、あの高い品質が保たれているのです。

時計ブランドではなく時計そのものに価値が宿ると考えると、グロスマンの時計のプライスタグには納得感も得られるものです。

アフターメンテナンスもドイツ本国の製造ラインで行われるので安心です。

いたく興味を持たれた方はブティックへお出かけください。実際にリューズを引いて指から伝わる感触があなたに心地よさを与えるのなら、その時計を手に入れるべきなのです。

 

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'79年生まれ。1浪2留の追加モラトリアムを経て'05年に早稲田大学商学部卒業。 現在は金融セクターのIT部門にて(マジメに)勤務。 時計や車などのラグジュアリー、服飾、DTM、それらにまつわる書籍の記事が得意です。
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