K.Iwahashiが語るラグジュアリー論

独立時計師フィリップ・デュフォー氏のインタビュー

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独立時計師フィリップ・デュフォー氏のインタビュー







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'79年生まれ。1浪2留の追加モラトリアムを経て'05年に早稲田大学商学部卒業。 現在は金融セクターのIT部門にて(マジメに)勤務。 時計や車などのラグジュアリー、服飾、DTM、それらにまつわる書籍の記事が得意です。

独立時計師の中でも一際の個性を放つ独立時計師Philippe Defour (フィリップ・デュフォー)氏のインタビュー(Podcastによる配信)がHodinkeeから配信されました。

独立時計師とは時計の企画、設計、製作までのすべての工程を自己の工房で完結する時計製作者のことを指します。日本では浅岡肇氏や菊野昌宏氏が有名ですが、1985年に設立されたACHI(独立時計師協会)によると、2018年9月現在正会員は31名ということなので、非常に稀有な存在だということがわかるでしょう。

フィリップ・デュフォー氏の時計は生産数が非常に少なく、最もシンプルな「Simplicity」で一本500万円という価格。日本国内の販売代理店はShellmanが担当しており、ご本人のインタビューでも日本のエピソードが思い出深く語られています。

およそ46分間に渡るJack Forster氏によるインタビューは非常に興味深いものでした。

大資本の傘下の時計メーカーで4年間時計師としての技術を身につけた若い職人が来る日も来る日もスクリューを留めるだけ、針をセットするだけ、又は賃金の安い国から17歳の若い子がより安い賃金で働いて人件費がより安くなるのに甘んじるくらいなら、自分で時計を作った方が良い。こういう発想でデュフォー氏は独立時計師になったようです。

それからフィリップ・デュフォー氏がオススメする時計として、ROLEXを挙げたことは驚きでした。世界中のどの都市にいても、共通の設備、クオリティで修理サービスが受けられることを挙げています。まさに僕がROLEXをデイリーウォッチとして選んだ理由がそれです。

ドイツのA. Lange & Söhne(ランゲ&ゾーネ)への賛美を惜しみません。若い世代はドイツ製の車に加え、今後はドイツの時計を欲しがるようになると予言までしています。実際インタビュー時にデュフォー氏が身につけていた時計はピンクドールド製の「ダトグラフ」です。

その他、サムスンやアップルなどのスマートウォッチも試して「素晴らしい」と評していることから、かなり好奇心が旺盛な人柄が伺えます。CNC旋盤など技術の恩恵を肯定しながらも、「人の手による時計製作は絵画を描くようなものだ」とも語っています。だからこそ、その作品に感銘を受ける人が多いのでしょう。

日本との関わりでは、シェルマンを通じてセイコーへ仕上げなどの伝授を行うなど、日本の時計業界への貢献度はかなり大きいのではないかと思います。おそらくその技術はセイコーエプソンの「マイクアーティスト工房」に蓄積され、「9R スプリングドライブ 8DAYS(Cal.9R01)」へ結実したのではないかと推察されます。

独立時計師の作品は当の時計師が廃業したり、亡くなると、誰が技術と事業を継承するのかという点がとても気になります。デュフォー氏の娘の1人が17歳で時計学校で学んでいるということで、継承させたいと語っていました。

「私くらいの年齢になると、思ったことが言えるようになる」時計好きならずとも聞いて欲しいインタビューです。時代を読む様々なエッセンスを感じ取ってみてはどうでしょう。

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'79年生まれ。1浪2留の追加モラトリアムを経て'05年に早稲田大学商学部卒業。 現在は金融セクターのIT部門にて(マジメに)勤務。 時計や車などのラグジュアリー、服飾、DTM、それらにまつわる書籍の記事が得意です。
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