チュードル純正のNATOストラップを製造している会社のこと
HODINKEEのアーカイブからTUDOR(チュードル)のNATOストラップ製造を受託するJulian Faure(ジュリアンフォール)を紹介します。
チュードルがNATOストラップをコレクションに採用したのは、2014年のバーゼルワールドでRANGER(レンジャー)の交換用ストラップとしてカモフラージュ柄のストラップが初のお披露目でした。
2017年にはブロンズケースのBLACK BAY(ブラックベイ)にも採用して大きな反響を呼びました。
そのNATOストラップのカモフラージュ柄は他社製のようなプリントされたものではなく、糸を織りなして表現されたパターンなのです。もちろんカモフラージュ柄のパターンはソフトウェアでシーケンスが組まれているのですが、実際に編み込む工程では18世紀〜19世紀に製造された織り機が稼働しています。
そのNATOストラップの製造を担当するのが、ジュリアン・フォール社です。1864年にフランスの南東部のサンテティエンヌ市に創業したフランスリボンの老舗中の老舗で、現在の当主は5代目の会社と同名のジュリアン・フォール氏です。
チュードルのNATOストラップを製品化するにあたって、チュードルが最初にコンタクトを取ったのは、2009年のことです。それからマーケットに登場するまで実に5年間の月日が費やされたことになります。
ジュリアンフォール社のWebサイトによると、このNATOストラップの生地はジャカード織ということです。ジャカードは元々パンチカードによって複雑な制御が可能な織り機ですが、このパンチカードが現代ではソフトウェアに置き換わっているのだと思われます。
ジュリアンフォールは伝統のある会社ですから、顧客にはLanvin(ランバン)、Christian Louboutin(クリスチャン・ルブタン)などのファッション界に加え、カトリック教会や大学なども顧客に抱えています。そこに、TUDOR(チュードル)も名を連ねたことで、同社の熱意が窺えます。
時計メーカー純正の高級NATOストラップといえば、オメガとブランパンが販売しています。オメガについては僕自身が購入して長期使用して、その質の良さに驚嘆しました。
ただ、時計本体をオメガ以外にしてしまうと、やや統一感が失われることも事実です。なぜなら、金属パーツ部分にブランドが刻印されているからです。これはサブマリーナで実験した僕の経験から。
その点、このTUDORのNATOストラップのサテン仕上げされた金属パーツはブランドを誇示する表記の一切がありません。これは他ブランドへの転用しても、自然に使用することが可能です。
問題はサイズで、チュードルの販売するNATOストラップは幅が22mmと大きめです。それに、バネ棒がストラップの生地に埋め込まれていることから12時側と6時側のラグホールの間隔がチュードルの展開する時計のモデルと一致しないと取り付けるのは難しそうですね。
もっとも、NATOストラップは工具がなくても即座に取り付け可能であるところにも魅力があるのですから、これではちょっと使い勝手がスポイルされてしまいますよね。
僕が期待するのは、将来的にこの高品質なNATOストラップがペアレントカンパニーであるロレックスで採用されることです。ボンドカラー(グレー×ブラックのストライプ)が出ると、飛びつくでしょうね。
割と本気でNATOストラップの企画販売を自分でやってみたいと思うこの頃です。
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