MB&F オロロジカル・マシーン No.9 ‘Flow’
HodinkeeからMB&Fの新作『Horological Machine No. 9 ‘Flow’』の紹介です。
Horological Machineシリーズは2007年のデビューから9作目を数えます。No.3’Frog’はカエルのような、No.7’Aquapod’は円盤のようなデザインで時計界の「破壊と創造」を自らの内に秘めたようなブランドです。
まるで、『スターウォーズ/帝国の逆襲』に出てくるツイン・ポッド・クラウド・カーのような、サイエンスフィクション然とした、CADの限界に挑戦するような造形を持つFlowですが、世界恐慌時代の発明家バックミンスター・フラーの11人乗りの車「Dymaxion car(ダイマクション・カー)」やポンティアックのストリームライナーなどのクラシックカーのテイストにインスピレーションを得た時計です。
No.8’Can-Am’が「カナディアン・アメリカン」に登場するレースカーから着想を得ているので、2作連続で自動車をモチーフに作品を展開しています。
[colwrap][col37][/col37][col73] 搭載するムーブメントにキャリバーNo.は付与されていませんが、何と、ダブル・エスケープメントを搭載しています。
これは2000年代以降ではフィリップ・デュフォー『Duality』以来の複雑機構を積んだ機械ではないでしょうか?ダブル・エスケープメントは二つのテンワと脱進機(調速機構)を持ち、各々が独立して作動します。最終的にはこの2つの調速機構の平均値が時計の精度を規定する仕組みです。
[/col73][/colwrap]余談ですが、DualityはスピードマスターのクロノグラフムーブメントCal.321を開発したアルバート・ピゲが卒業制作のために作ったダブル・エスケープメントの懐中時計をリファレンスしています。
オロロジカル・マシーン No.9 ‘Flow’はコクピット、もしくはスピードメーターを模した2種類の文字盤を展開しています。
基本情報 | |
メーカー | MB&F |
型番 | Horological Machine No. 9 “Flow” |
縦×横×厚さ | 57mm × 47mm × 23mm |
ケース素材 | グレード5 チタニウム |
防水性能 | 3気圧 |
ブレスレット | チタンバックルに手縫いカーフ |
価格/生産数 | $182,000(¥20,527,000)/33×2 |
ムーブメント情報 | |
キャリバーNo. | − |
巻上方式 | 手巻き |
振動数 | 18,000 |
石数 | 44 |
調速機構 | フリースプラング |
その他 | デュアル・エスケープメント |
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