メテオライト(隕石)文字盤が美しいローマン ゴティエ プレステージHMS ステンレススチール限定モデル
SIHH2019(ジュネーブ)開催中は特に注目することもなかったRomain Gauthier(ローマン ゴティエ)。しかし、とんでもない逸品を隠し持っていたようです。
既存のPrestige HMSをベースに、メゾン初のステンレスケースを採用し、その文字盤にメテオライト(隕石)を採用した限定モデルPrestige HMS Stainless Steel(プレステージHMS ステンレススチール)。
特別な文字盤 メテオライト
まず、文字盤に使われているメテオライトはオクタヘドライドと呼ばれる鉄分の含有の多い隕石で、1931年にオーストラリア ノーザンテリトリーにあるHenbury(ヘンバリー)クレーターで発見された個体を使用しています。金属ニッケルの結晶の成長によって観察されるウィドマンシュテッテン構造の模様は複雑であり、同時に魅惑的です。
このメテオライト文字盤は0.8mmの薄さにスライスされ(通常は真鍮性のプレートに貼り付けられのですが)、モノブロックでセットされます。文字盤表面には腐食防止コーティングが施されており、経年劣化は発生しないように対策されています。
文字盤上の惑星の軌道のような2つの円からなるトラックと文字はホワイトで描かれます。針とアプライドインデックスにはブラックスチールが使用され、蓄光塗料が塗布されています。
意外なことに、この文字盤はローマン ゴティエ初のスケルトンではない(クローズド)文字盤なのです。
初のステンレスケース
43mm径×12.1mm厚のステンレスケースは数値上は大きく感じされるものの、カーブの多いミドルケースの鏡面磨きにラグのサテン仕上げの引き締めによって大きさを感じさせません。
大きさを感じさせないもうひとつ大きな要素に、このケースにはリューズが存在しないことが貢献しています。
モダンなムーブメント、古典的な技法
リューズが存在しない秘密はケースバックを見れば理解できます。大きな回転レバーが取り付けられているからです。じゃがルクルトのフューチャマチックなどに見られる比較的古典的な手法です。
三日月型にくり抜かれたサファイアクリスタル越しに覗くのはキャリバー2206 HMS。実に現代的で、テクノロジーを感じさせるムーブメントデザインですが、実は全てハンドメイドで仕上げられています。
例えば、多用されるbercé anglage(斜角の丸みを帯びた様式)は手による研磨で仕上げられています。
このムーブメントを組み上げるのにかかる時間は60時間。奇しくも2206HMSのパワーリザーブと同じくらいの時間がかかるのです。
プレステージHMS ステンレススチールは10本の限定生産。予定価格はCHF68,000(748万円)。
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