オメガ シーマスター 1948 マスター クロノメーター「スモールセコンド」
Hodinkeeのアーカイブ(動画)からオメガ シーマスター 1948 マスター クロノメーター(Ref.511.12.38.20.02.001)を紹介します。
2011年にオリンピックモデルとしてセントラル(センター)セコンド版とスモールセコンド版が登場しましたが、シーマスター誕生70年を迎え、バーゼルワールド2018で再登場しました。
しかも、今回は「METAS認定マスタークロノメーター」ムーブメントCal.8804を積んでいます。15,000ガウスもの磁力にも耐える最新式の時計の外装は戦後から50年代にかけての復興と繁栄を感じさせるデザインだなんて、時空を捻ったみたいで素敵だと思いませんか?
ケースバックにはオメガが特許を取得したナイアードロック(NAIAD-LOCK)によって、定位置で裏蓋が閉まるようになっており、裏蓋に記載の多いオメガにとってはデザインの整合性が得られやすくなりました。
そして、サファイアクリスタルケースバックにはレーザーエッチングされたクリスクラフト社の船と英国空軍が最初に投入したジェット戦闘機であるグロスターミーティアが手作業によるラッカー仕上げで描かれています。いずれも第二次世界大戦中の英国軍機、つまり連合国側のものであることから、旧枢軸国側(日本、ドイツ、イタリア)の人間としては、やや複雑な思いを巡らすわけです。
HodinkeeのJack Forster氏も私もスモールセコンドが一推しです。ボンベシェイプのシルバーオパーリンダイアルの外周にはレイルウェイミニッツトラックが走り、リーフハンドの針がそっと追いかけます。ビンテージシェイプのオメガロゴとアプライドインデックス、針には18KWGが使用されます。
僕がこの時計で最も素敵だと感じるところは、風防の中心部にΩのエッチング(透かし彫)が施されているところ。これが微妙な陰影をスモールセコンドに投影するのです。
無反射コーティングを内側のみに処理した点も評価できます(オメガの両面無反射コーティングは傷に大変弱いのです)。ちなみにセンターセコンド版は両面無反射コーティングを施している時点で選択肢から外れました。
2018年3月に発表された時計もいよいよ10月に販売開始です。販売価格は71万円(税抜)と手の届くレンジ。問題は1,948本限定のこの時計を欲しがる人が大勢いることですね。
ベルトは公開されている画像では茶色のスエード調ですが、これ以外にダークブルーレザーの革ベルト、アドミラルグレーのNATOストラップが付属します。実は一本で3度おいしい時計なのです。時計が収められた特製革ケースは茶色のレザーベルトと同色です。大胆にも時計を固定するためのホルダーはマグネット式になっており、マスタークロノメーターの耐磁性能の高さを証明しています。
この時計は今年定年退職を迎える方がご自身への勲章として入手してはいかがでしょうか?あるいは今年シーマスターと同じ70歳を迎える紳士にとっては自身の分身ともなり得る時計かもしれませんね(こんなの贈られたら最高ですね)。
オメガ シーマスター 1948 スモールセコンドは2018年10月末発売予定でしたがその後12月に改められました。生産が大幅に遅れており、2018年12月時点での納期は不明です。
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