K.Iwahashiが語るラグジュアリー論







オメガのNATOストラップに史上初めて人工タンパク質素材「クモの糸」を採用したラインアップが追加されました!

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'79年生まれ。1浪2留の流浪期を経て'05年に早稲田大学商学部卒業。 現在は金融業界で会社員として勤務。英文翻訳が得意。 ラグジュアリー全般に関する考察と海外発の腕時計情報をいち早くお届けします。

NATOストラップの愛好家として、非常に興味がそそられる製品の登場です。

なんと、蜘蛛の糸を人工的に模写した素材、Biosteel®とポリアミドを混紡した素材を生地に用いたNATOストラップがオメガから登場したのです。

このBiosteel®を供給するのはドイツの企業AMSilk社です。この素材の素晴らしいところは石油由来ではなく、タンパク質が主要成分であることから、廃棄後の生分解が可能であること、吸排湿に優れ肌触りが良いこと、耐アレルギー性に優れること、そして鉛筆ほどの太さのBiosteel®繊維は380トンのボーイング747を牽引するほど強靭(鉄の7〜10倍)であることが挙げられます。

amsilk
Image by AMSilk

この夢の素材で作られたNATOストラップの価格は米国内で$270。日本国内の定価は31,300円(税抜)とオメガブティックから聞き取りしましたが、2019年1月時点ではEU圏内に出荷が始まったばかりで、日本国内には入荷未定ということです。したがって、予約を入れることも不可能な状態なのです。

色はベージュが選択できるのみ。もしかすると、これが地の色なのかな?染色には課題が残されているのかもしれません。

ところで、このBiosteel®と似た製品を量産化しようと懸命になっている企業があります。米国のBolt Threadsと日本のSpiberです。Bolt ThreadsはMicrosilkという素材をステラ・マッカートニーに供給し、314$のタイが販売されていますし、Spiberは人工合成クモ糸繊維QMONOS®を利用してThe North FaceとMOON PARKA®プロトタイプの開発にこの数年取り組んできました。

一番の障壁となるのが量産コストで、1kgの人工タンパク質素材を製造するのに$100を割り込まないと量産化は実現できないというのが通説でした。しかし、この10年の技術進歩によりその障壁も超えつつあるのでしょう。どの企業が一番乗りできるのか競争が激化しています。

比較的高コストが許容されるラグジュアリーの分野で認知度を高めつつ、量産化への体制を整えていく戦略を各社採用しています。Spiberは日本政府から20億円調達してタイに量産工場を新設していますし、新素材で世界の覇権を日本企業が握るチャンスかもしれませんね。

僕はこのBiosteel®NATOストラップを必ずや入手して新しい時代の息吹というものを謳歌しようと思います。

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'79年生まれ。1浪2留の流浪期を経て'05年に早稲田大学商学部卒業。 現在は金融業界で会社員として勤務。英文翻訳が得意。 ラグジュアリー全般に関する考察と海外発の腕時計情報をいち早くお届けします。











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