A.ランゲ&ゾーネ 『ダトグラフ UP/DOWN ルーメン』
HODINKEEの記事からA.Lange & Söhne (ランゲ&ゾーネ)のダトグラフ・アップ/ダウン・ルーメンを紹介します。
5年前にダトグラフとポルシェ・ケイマンを購入し、自殺未遂を起こした末に自己破産した男性の話を読み、ダトグラフにはある種の「畏れ」を感じていましたが、あらゆる腕時計が高騰した昨今、ダトグラフから僕の中の偏見を取り除くことができるようになり、あらためて、その素晴らしさを評価できるようになりました。
ランゲ&ゾーネ ダトグラフは独立時計師フィリップ・デュフォー氏すら魅了するクロノグラフです。クロノグラフは時間計測のためのストップウォッチ機能のことを指します。
ダトグラフ・アップ/ダウン・ルーメンはそのクロノグラフに、デイトカレンダー、パワーリザーブ、そしてフライバック機構が付いています。
フライバック機構とは一般的なクロノグラフがスタート(2時位置ホタン)→ストップ(2時位置ホタン)→リセット(4時位置ホタン)と次の計測までに3ステップを要するのに対し、ストップとリセットを9ー10時位置ボタンを押すことで一度に済ませることができ、ボタンを離すことで計測が開始される機構です。
そして、このダトグラフに今回加わった新機能が”ルーメン”が意味するところの、蓄光ダイアルです。
とりわけ、注目すべきはデイト表示も発光する点です。デイト表示というのは日付が変わるまで文字盤の下に隠れているので、蓄光する時間は非常に限られています。もちろんデイトが変わってから蓄光すれば済むのですが、それでは意味がありません。
その秘密はダトグラフ・ルーメンの文字盤にあります。文字盤はスモーク加工されたサファイアガラスで作られています。サファイヤは紫外線を透過するので、日付ディスクも蓄光が可能というわけです。日付ディスクは文字のみ墨の入った透明なディスクと4枚の蓄光板を重ね合わせることで表示され、蓄光板は2枚ずつ交互に入れ替えられるという凝った作りです。
加えて、外周のインナータキメーターにも蓄光塗料が塗布されていて、30分積算計とスモールセコンドにはインデックスと針以外が発光するというド派手な仕様。
メインの2針と、クロノグラフ秒針にも惜しみなく蓄光塗料が施されている一方で、プラチナ製と思われるアプライドインデックスには3時間おきにワンポイント入るという抑制の効いたデザインとなっています。
比類なき美しさを誇るキャリバーL951シリーズの初出は1999年。それから改良を重ね、ダトグラフ・ルーメンには第7世代目のL951.7が搭載されています。振動数は18,000のロービートでありながら、60時間のパワーリザーブとフリースプラングのヒゲゼンマイは現代の要求に応えたムーブメントと言えるでしょう。
この特別なダトグラフ・ルーメンは限定数200本。価格はUSドルで$100,500。この$500分は蓄光塗料の追加料金と訊ねるのは野暮でしょうか?
基本情報 | |
メーカー | A.Lange & Söhne(A.ランゲ&ゾーネ) |
モデル/型番 | Datograph Up/Down “Lumen”/405.034 |
サイズ | 直径41mm×厚み13.4mm |
ケース素材 | プラチナ |
防水性能 | 日常生活防水 |
ブレスレット | アリゲーターストラップ |
価格/生産数 | 両モデルとも$100,500(11,458,800円)/200本 |
ムーブメント情報 | |
キャリバーNo. | Cal.L951.7 |
巻上方式 | 手巻 |
振動数 | 18,000 |
石数 | 46 |
部品点数 | 454 |
調速機構 | スワンネック付フリースプラング方式 |
パワーリザーブ | 60時間 |
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