K.Iwahashiが語るラグジュアリー論







ムーブメントが宙に浮く? ジラール・ペルゴ クエーサー

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'79年生まれ。1浪2留の流浪期を経て'05年に早稲田大学商学部卒業。 現在は金融業界で会社員として勤務。英文翻訳が得意。 ラグジュアリー全般に関する考察と海外発の腕時計情報をいち早くお届けします。

Girard-Perregaux (ジラール・ペルゴ)の新作の名であるQuasar(クエーサー)とは恒星のような点光源に見える天体のことを指します。その暗喩するところ、『一見しては分からないもの』でしょうか。

その名のとおり、このクエーサー(Ref. 99295-43-000-BA6A )はまるでムーブメントが宙を浮いているような時計なのです。そう、この時計のケースは透明なサファイアクリスタルで作られているのです。

高級時計で使われるサファイアクリスタルの大半は文字盤を覆う風防として使われます。サファイアは非常に硬い素材(モース硬度9)なので、傷が付きにくく、変色もしない特性があるため広く利用されています。

そのサファイアクリスタルを大胆にもケースの素材にしてしまったジラール・ペルゴにとって初の試みは実はHUBLOT(ウブロ)のビッグバン・トゥールビヨンやGreubel Forsey(グルーベル・フォルセイ)のDouble Balancier (ダブル バランシエール)が先行している分野でもあります。

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イドから見たQuasar

とはいっても、サファイアでケースを造形するのは非常に手間のかかる工程であり、クエーサーのケースを仕上げるためには200時間要します。量産モデルには向かないので、やはり特別なモデルにだけということになります。

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The Golden Bridge

最新の技術を投入しているクエーサーですが、実は過去へのオマージュを怠ってはいません。プレートを横向きに支える3本のチタニウム製のブリッジは19世紀に作られた同社の懐中時計のムーブメントに着想を得ています。100年も前のムーブメントがかくも美しいとは驚きです。

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実際に腕に巻いた様子ですが、ケースを透過して肌が見えます。3本のブリッジを支える円盤型の地板も徹底的に中抜きされています。針は宇宙船のような形状で、蓄光塗料が先端部分に塗布されています。そして、この時計には文字盤が存在しないため、ミニッツトラックはもちろんのこと、アワーマーカーすら存在しません。この時計の所有者は時間に囚われてはならないのです。

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毎時21,600振動のロービートなトゥールビヨンムーブメントCal.GP09400-1035は手巻き式で、60時間のパワーリザーブを確保します。現代の手巻き式において、60時間は実用面の下限といえそうです。

ジラール・ペルゴ クエーサーは2019年3月発売、価格は$19,400(約2,150万円)を予定しています。

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